「長い間会えなくても、お互い忘れないようにしましょう。」

約2000年前の銅鏡に刻まれた言葉。吉野ヶ里歴史公園 から出土したその鏡は『連弧文鏡(れんこもんきょう)』と呼ばれています。

「弥生も令和も、時代は違えども人を想う気持ちは一緒なんですよ。会いたいけど、なかなか会えない・・・そんな今だからこそ連弧文鏡の存在を伝えたいんです。」と、佐賀県よりご依頼を受け、ポストカード及びポスターを制作させていただきました。

当初、県では連弧文鏡をファンシーなイラストに起こすお話もあったようですが、2000年前のデザインにデフォルメを加えるより、もうこのデザインとして完成された素晴らしい鏡そのものをシンプルに伝えてもいいのでは?と話し合いました。

また、連弧文鏡の面に一文でもいいので手書きスペースを空けたいという話も出ましたが、大切な人に贈る心のこもったメッセージだからこそじっくりとしたためて欲しいこと、ビジュアル面には連弧文鏡のメッセージが十分入っていることを考慮し、手書きスペースはゆったりと宛名面に。

日本版と英語版を制作。
 
それぞれ金銀の特色インクを使用。特殊紙ヴァンヌーボとの相性で少し沈む金銀の色味がこの時代を彷彿させる雰囲気のあるものに仕上がりました。

加えて、実はこの2枚を並べると、鏡(ご縁)が繋がる仕掛けを施しています。

連弧文鏡が繋ぐ、差出人と受取人。そんな意味を込めました。これにはあえて何も触れずに提出し、後で並べて検討していた皆さんが「あれっ?・・・つながってる!!」と喜びのお電話をいただいた時は思わずコチラも「エヘヘ♡」となりました(笑)
ご担当者さま、遺跡発掘専門スタッフさまから連弧文鏡の説明を受け、一瞬にして私たちはファンになりました。中国(漢の時代)で作られた青銅製の鏡。どんなキモチで相手に贈ったのか。どんなキモチで受け取り、棺にまで納めたのか。鏡本体は錆びても、風化することのない心情。普段、遺跡研究や修復をされている皆さま一人一人の情熱も一緒にデザインしたポストカード。
 
「久 不 相 見 長 毋 相 忘」〜ひさしくあいまみえず ながくあいわするなからんことを〜
 
直径7.4cmの鏡が伝える、今に生きる私たちへのメッセージ。吉野ヶ里歴史公園 内の資料室にレプリカが展示してありますので、ご覧頂ければと思います。一見の価値、大アリ。

Producer:Yoshiro Kumagai
CreativeDirector:Yoshiro Kumagai
ArtDirector:Keisuke Ienaga
Designer:Keisuke Ienaga
Illustrator:Miwako Ienaga